「母の外泊」
2004.6.12-13母に外泊許可が出た。
私も会いたくて、娘と帰省した。
少し顔色が悪いようだったがいつもの母だった。純粋に嬉しかった。久しぶりに一家で食べた夕飯は
とてもおいしかった。娘もばあばが元気だったのがとても嬉しかったのか大はしゃぎだった。
「寝てれば」というと「いいよ、ここで」と茶の間でごろんとしていた。
これもいつものスタイルでなぜかほっとした。やっぱりこうしていなくちゃあ実家に帰った気がしない。
夜更かししないで早く寝なさいといったのだが、久しぶりだからといろいろとりとめのない話をした。
今となってみるとなにを話したのかよく覚えていない。
翌日、私と娘が帰る時、廊下のベンチに座って(これもいつものスタイル)「気をつけて帰りなさいよ。もうすぐ退院するんだから心配しないで。」と娘に手を振った。
今、思うと元気にしている母との最後の会話だった。いつものように「じゃ、無理しないで。また、来るから…」
なんだか家を離れがたかったけど、帰らなければいけない。足取りは重かった。