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「お盆が明けて」

2、3日は元気だったが、19日少し息が苦しいと自分から言って鼻から補助の酸素をつけていた。
腹水は相変わらずで、足もパンパンにむくんでいた。

食欲はないみたいで水分だけとっていた。アガリクスを溶かしたものは飲みにくいのに頑張って飲んでいた。
辛いのか、「もういいよ…」てぽつんと言った。弟に何、弱気になってるのって怒られてた。「死ぬ病気じゃないよ」て
言われていた。(弟、えらい。)
自分の死期に気付いていたのだろうか。

なんかどういっていいかわからない時間ばかり過ぎていく。
この日は泊まらなくていいというから、弟と帰宅した。

あきらめた訳ではないけど。

父はもう長くないことを悟っていたのだろう。二人の時にどんな会話があったか私たちにはわからないけど
「なんで手術しないの」と聞かれたことがあるらしい。
最愛の伴侶がいなくなることにつぶされそうな父を見るのが辛かった。どうやっても、なぐさめられない。
だって、真実は一つなんだもん。

もう少ししか、いてくれない。
私も弟もあきらめてないけど、どうやっても現実は襲ってくる。

元気なうちに母に告知した方が良かったのか…。もっと有意義な4ヶ月を過ごせたのか。
どうしてもこのことだけは気になって一生背負っていくんだろうなー。

なんてことばかり考えて眠れない日が続いた。いつから寝てないのかなー。なんてぼんやりしながら、惰性で動いていた。あの頃、たしかに異常だったな、きっと。

こんな母親のそばで娘はどんな気持ちでいたんだろう。3歳なのにいつも私を励ましてくれた。
未熟な母親で申し訳なかったな。