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「退職した理由(わけ)」

派遣社員として、その会社で勤めて2年弱。
自分でもなぜこんなに頑張ってしまうんだろうと疑問を持ちながらも働き続けた。

確かにちょっと特殊な仕事で面白かった。
大企業が小売店を吸収しその大企業の直営店として営業する。
まあ、そういうことはありふれたことではあった。
こういう場合、小売店の役員連中は退職する。
でも、ほんとにどんぶり勘定の会社だったし、マニュアルもなにもないので
そこの専務さんがしばらく残ってくださっていろいろ教えてくれた。
小売店の社員はとりあえず全員移籍という形で残った。契約上、そうなっていたようだ。
ここの所長(社員)が一生懸命の人ですごくいいひと。見た目は強面で住む世界違うんじゃないって
雰囲気の人なんだけどすごく繊細で優しい人。この人の下にいる若いスタッフもとても懐いてるし
素直で一生懸命。
彼らがいなければ、私も3ヶ月で辞めていただろう(辞めてればこんな風にならなかったかな)

私は大企業側に雇われて、直属の上司がいたわけだけど(小売店の内から出向という感じで配属されていた)
、この人からの命令はこの小売店の内部事情を探るというのが最初の指令。リストラした方がいい人材とか
「取引先の様子など彼が直接調べられないことを調べる業務。
派遣の仕事じゃないでしょーと思ったけど、会社が変わったら普通の事務だからっていう言葉が甘かった。

大企業に替わると「大企業のルール」と「小売店のルール」がかみ合わない。私の上司と所長の話し合いは平行線のままばかり。これではどうにもいかない。結果、わたしがコンバーター役をすることになる。(やらないで決裂させるって手もあったが潰すにはおしい店だったのよね、自分の持ち物じゃないんだけど)

所長は営業しかできない。(そういう風に育てられたから)
膨大な雑務は私の肩に…。とにかく複雑、非合理なことが山ほどあるけど、仕事は山ほどでとにかくこなすしかない。上司からは「あれはどうなってる」「これもやって」「急がないけど」などなどメールが届く。最初のころはたしかに
フォローも入れてくれてとてもいい関係だった。だから、無理してでも頑張れたのだと思う。
そうこうするうちに本社から一人助っ人が来てくれた。課長なのに私の雑務の手伝いに来てくれていた。彼は彼で
忙殺されるほどの仕事があるのに…(案の定、彼もダウン。鬱になってしまった)

若い男の子をひとり入れた。その課長のフォローと私のところと本社の女の子のところの手伝いをしながら
将来責任者になれるように育てるという名目で。
私たちはそのつもりで彼を大事に育てた。次の期からはなんとかシステムの方も全面的に教えようという矢先
「3月から営業にいけ」って言われましたと彼から報告がありました。
「は、何それ?」私の中で怒り爆発。この時、事務所のリフォームから販売促進商品の選定からおよそ派遣の仕事の
内容を超えたことを沢山抱えていた私の中で何かが「ブチッ」と切れた。

そのあと、その男の子に「今、やってる仕事はどうするの」と聞くと後任は決まっていないという。現在どういうことを
しているか上司(私の直属の)に話したのかと聞くと「言える雰囲気じゃない」という。「じゃあ、話してみなよ」と上司に話すことを勧めた。

*このあと、会社で倒れた。所長が病院へ運んでくれた。そのあと「帯状疱疹」になった。精神的にいっぱいなのに
頑張りつづけた私に身体の方が悲鳴をあげたのだろう。

結果、私の内部批判という判断をうけた。
「頑張りすぎなんだよ。君の言ってることは正しいけど、現在わが社ではそこまでの対応をする人材がいない」だって。「頑張りすぎ」ってなに。頑張りすぎなきゃあなたの要求には答えられないでしょと心の中で思ったけどもうこの人とは仕事できないと思い契約の更新を断ることにした。

やっていた仕事が膨大なので引継ぎに二ヶ月、引継ぎしながら作業マニュアルを作成、新システム導入の途中だったのでシステムの完成。もう意地だけだったかもしれないね。
会社の仲間からは契約期間の終わりが近づくにつれ沢山のメールをもらった。私の仕事を認めてくれていた人が
たくさんいたことは救いになった。

母の危篤で一日分残ってしまったのは月末に処理しに出社した。それとは別に締め切り時に短期で仕事の依頼を受けた。普通なら絶対行かないけど所長をはじめ現場のスタッフは大好きだったからだと思う。

直属の上司も仕事の上では尊敬もしているし、あの時、彼も膨大な仕事をしていて私同様、心にゆとりがなかったんだろう。個人的には悪い人じゃないしね。

でも、ここで私は退職した。母のこともあったからしばらく休みたかったっというのも事実であったろう。