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「帰省してきました」

やはりお正月はしないとは言え、母のいない実家というのは、なんだか物足りない。
なにが足りないって言われると明確な答えは出せないんだけど…。

父に頼まれて一部箪笥の整理をした。
あきらかにもう着られないもの、誰にもあげれないものは容赦なくゴミ袋へ捨てた。
でも、中にはどうしても捨てれないものもあって、それはもうしばらく箪笥に入れておくことにした。

せっかく買ってあげたのに、タグも外していない服。いったいいつ着る予定だったんだか…。
私の叔母の形見と思われるブラウス。(これはダブルで形見になってしまったので絶対捨てない)

毛糸、未使用の生地なども出てきたがこれは娘の保育園に寄付することにした。孫たちに使ってもらった方が
天国で喜んでくれそうだったから。

古切れもたくさん出てきた。たぶん「老後の楽しみ」に着物をほどいたやつらしい。何を作るつもりだったのかは
今となっては謎なのだが、これは「私の老後」にとっておくことにした。

箪笥の整理もすべては出来ず(精神的につらくなってしまったので)とりあえずは父と弟が引き出しを使える程度で
断念した。
写真なんかも引き出しに入っていて、とても大事にしまってあって、つらくなってしまったのだ。
母が使っていた珠数が出てきたのでそれはおまもりがわりに持ってきた。
私が母に選んであげたものだったし、実家にはだれも女はいないから、当然私のよねーと
母の仏前に報告した。

さすがに女性外来の先生が言ったとおり、帰省は控えた方がいいは当たりだったかも…。
どうも薬の効きが悪いみたいでした。帰宅してからも、デパスを飲んでもなんかイライラするし、落ち込み度が高いし
ちょっとマイナスだったかな。でも、それも乗り越えたいと思っている自分が出てきたことも事実。

子供とずっといることは、楽しくて苦痛。こころが痛くなることがある。お人形じゃないんだから言う通りなんて動くわけ
ないんだけど、一日に何度も呼ばれる「ママー」という単語がすごく苦しい時がある。
私の中でどこか隅っこにママという仕事を放棄する人格が形成されてるんだろうか。
娘のことはとても愛しているのに…。

家に戻ってまた日常が始まって時間が流れていく。とりあえず時流にさからわず生きていこう。