学校との関わり 福井の中2自殺の報道から感じたこと
コミュニケーションセラピスト、家族支援カウンセラーの小瀧弘美です。
ここ何日か福井で起きた中2自殺のことを考えていました。
<報道から聞こえてきたこと>
・副担任の強い叱責があった
・副担任の叱責は周りからみても怒り方がすさまじかった。
・副担任に「宿題が出せない」と話した時、過呼吸になった。宿題が出せない理由は部活でケガをしたから。
・学校内では「発達障害があるかもしれないから指導方法を検討」という意見があったのに、校長までは届いていなかった。
・「学校に行きたくない」ということを言ったのが3回あった。
・親には心配をかけたくないのか、「大丈夫?」と聞くと「大丈夫」という答えだった。
・保護者は、学校から「発達障害があるかも」ということは亡くなってから聞いた。
・保護者から学校へ「学校へ行きたくない」ということがあった旨を伝えていた。
・学校の3階から飛びおりた。
こういったことが報道からわかったことなのですけれど、随所に「なぜ」という問いがおこりました。
まず「発達障害」ですけど、学校は、なぜそう感じた先生がいらしたのに、保護者まで伝わらなかったのでしょうか?
・発達障害と伝えられた担任が聞き流した?
・発達障害と家族に伝えることにためらった?
ここは、事実が報道されていないので、わからないのですが。
よくあることでは、「発達障害」と保護者に伝えたとき、結構抵抗を受けるということ。
うちの子はそんなことありません。って。
それでも、学校は保護者に伝えるべきだと思います。
発達障害にも、いろいろあります。小さい頃にわかれば、療育する方向に進みます。トレーニングで通常の生活が楽になるようにしますよね。
大きくなってから「発達障害」と言われると受け入れにくいのかもしれません。今までなんともなかったのにって。なんともなかったわけではなくて「グレーゾーン」だったのかもしれないんですよね。
「発達障害」の知識が保護者側にもないのかもしれません。これは、子どもを持った時にきちんと指導する方法が必要だと思うんですけど。対象の子がいるご家庭だけでなく、子どもを持つすべての人が知っておくべきだと思います。
こどもって、中学くらいになって学校の環境が変わって、いろいろ対応できなくなることもあるのです。小学校まではなんとかなっていたのかもしれないのね。そこを親も知っておくべきだし、学校もね、注意深く見ることが必要だと思うのです。
今回の副担任の叱責も、「発達障害が原因のことだったら」と思うと自分ではどうにもできないことで、本当に辛かったことだろうと思います。
- 自分だけが強く叱責される
- 学校に行きたくない
こんなSOSを出していたんですね。
親を心配させたくなくて、強くは言えなかったのかもしれませんけれど、
私たち、大人は
「学校へ行きたくない」
というメッセージには、もっと敏感にならなければいけないのかもしれません。この言葉の陰には、大きなことが潜んでいるのかもしれませんから。
とても難しいことかもしれません。
中学生くらいになるとなかなか親にいろいろな問題を教えなくなりますし、見ただけで判断することはなかなか大変。何を考えているかわからないってことをよく聞きます。
そんな彼らが
「学校へ行きたくない」
という言葉を発するのですから、これは重く受け止めていいのではないでしょうか?
原因がわからなくても一旦休ませる。ということがいいと思います。
保護者は学校ときっちり話をする。調査を依頼する。くらいの気持ちで向き合ってもいいと思います。
今回の事件は「学校の体質」に疑問を感じます。発達障害のこと、指導中の過呼吸のことも保護者に伝わっていない。保護者とのコミュニケーションがとれていないように感じました。
今回のケースは悲しいことが起こりましたが、きちんと検証してほしいし、二度と同じことが起こらないようにと祈るばかりです。
私は、保護者側も学校ともっとコミュニケーションをとることが日常になったらいいなと思います。学校が迷惑かも、とか考えずに。
カウンセリングをしていると保護者側は学校へ遠慮がある場合も多いです。モンスターペアレントになれというのではなく、情報の共有が出来る関係が望ましいと思うのです。
学校との関係がうまく行かないなら、他の機関への協力を求めることも必要ですよ。
そんな相談も私のカウンセリングでは受けています。いっしょに考えていきます。もっと気軽に受けてほしいなーと思います。
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