脳はネガティブに考えるくせがある
コミュニケーションセラピスト、家族支援カウンセラーの小瀧 弘美です。
人間の脳はネガティブな思考が優先されると言われています。
みなさん、ご存じでしょうか?
その昔、人は生き延びるために、目の前のりんごを採ることよりも、目の前の猛獣から逃げることを優先させました。生き延びる確率が逃げる方が高かったからです。りんごを採ることは失敗しても命の関わることはありませんが、猛獣から逃げ損ねれば命に関わります。
脳は逃げる方を優先して学習してきたのです。
ですから、私たちは快楽を求めることよりも、苦痛から逃げることの方が学習しやすいという特徴を持っています。これを脳のネガティブ・バイアス(ネガティブ偏向)と言います。この特徴は生物として生き残るためには都合が良いのですが、社会の中で感情をコントロールしながら生きていく上では不都合になることが多々あります。
ネガティブなことの方が学習しやすいということは、例えば両親に怒られた、友達と絶交した、裏切られたといったような人間関係でのネガティブな経験の方が記憶に残りやすいということです。
辛い事からは逃げる、脳はそうインプットされています。人間関係がつらくなると引きこもってしまうことも脳が本能で守りに入るのかもしれません。
ネガティブな感情ばかり記憶していたら、イライラしたり、不安になったりと、後ろ向きな感情に支配されることが多くなることは当たり前なのかもしれません。
ただ、「脳は変化する」という特徴も持っています。これを少し難しい言葉で言うと、「神経可塑(かそ)性」と言います。最新の脳科学でわかってきたのは、脳は「自分の思考に合わせて変化していく」ということです。思考がネガティブな傾向にある人は、脳はよりネガティブに思考しやすくなります。逆にポジティブに考えられる人は、よりポジティブに考えやすいように脳が変化します。
自分の感情と上手に付き合い、より良い人生を歩めるようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
脳が変化するのであればトレーニングが有効です。できるだけ、誰かの楽しい、うれしい、幸せ、ポジティブな経験や話を聞くことです。
ただし、人の幸せ話を聞いても、ひがんだり、うらやましがったりしては意味がありません。
誰かの話を聞く時のコツは、できるだけその人が話している経験を五感を使って同じように感じるということです。すると、相手の話を自分の幸せな体験のように感じることができます。それを繰り返すことで、脳がポジティブな思考をしやすいように変化していきます。
よく考えてみると「出来事」にはポジティブもネガティブもなく、あるのは事実のみです。
その出来事をポジティブなものと捉えるのか、ネガティブなものとして捉えるのかはあなた次第です。物事のポジティブな面をより多く見られるようになれば、その物事はポジティブな出来事になるのです。
あなたの脳はあなたの気持ち次第でポジティブ思考の脳に変えることが出来ますよ、ぜひトレーニングしてくださいね。
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