アスペルガー症候群(広汎性発達障害)と不登校
コミュニケーションセラピスト、家族支援カウンセラーの小瀧弘美です。
アスペルガー症候群(広汎性発達障害)のお子さんが不登校になるケースは少なくありません。
これはアスペルガー症候群(広汎性発達障害)の特徴を学校側が上手に捉えられていないことにも原因はあるようです。
確かにアスペルガー症候群(広汎性発達障害)のお子さんはコミュニケーションが上手ではないため、周りの子どもたちとうまく付き合えなかったり、誤解されたりして学校に行きづらくなってしまうこともあります。
程度の差は人それぞれではあるのですが、周りの人がちょっと工夫するとコミュニケーションがスムーズになることもあります。
4000人に1人の割合と言われているアスペルガー症候群ですが現在では、もっと割合が高いと言われています。あなたの身近にもいるコミュニケーションが苦手なアスペルガー症候群の人と上手に付き合うための伝わりやすい言い回しのコツをご紹介します。
アスペルガー症候群の特徴:対人関係の不器用さ
アスペルガー症候群は発達障害の中の、広汎性発達障害のひとつです。知能指数は通常程度、あるいは平均以上なのに、コミュニケーションや興味の面で違いが見られます。
・他の人の立場を理解するのが苦手で、思ったことを正直に口に出してしまったりするので、学校や社会に溶け込めない
・自分の関心のあることだけに集中して他のことにはほぼ興味を示さないことから、孤立してしまう
アスペルガー症候群は男性に多いとされていますが、女性でも診断につながらずに対人関係の悩みを抱えている人々が多くいます。
最近では、大人になってから障害に気づく人もいます。
コミュニケーションを円滑にするのは伝え方次第
アスペルガー症候群の人は、複雑な人間関係や場の雰囲気を理解するのが苦手です。空気を読めない奴、と思われることが少なくありません。
これは本人が努力をして変わることはないので、決して直そうとせず、こうした特性を理解し、合わせることが基本的な接し方です。
アスペルガー症候群の人と一緒に過ごす場合は、下記のようなことに気をつけると意図が伝わりやすく、コミュニケーションが取りやすくなります。
シンプルに伝えることが大切
「なるべく」「昨日と同じように」「適当に」など、曖昧な表現は混乱を招くので使わないようにしましょう。
伝える時は、シンプルに数を入れて、どうして欲しいのかを伝えます。例えば「今から、お茶碗を2個、テーブルに運んでください」というように具体的に伝えることでアスペルガー症候群の人が理解してスムーズにいきます。
否定文を使わない、肯定文で伝える
否定的な言葉を言われるとアスペルガー症候群の人は強い劣等感や自己嫌悪に陥ってしまうことがあります。
「◯◯してはいけない」という表現ではなく
「◯◯した方がいいよ」と肯定的に言い換えて、前向きな提案の形で伝えると、理解がスムーズになり受け入れてもらえるようです。
大きな声で言わない
アスペルガー症候群の人は、その場の空気や相手の立場を理解するのが難しいです。
このため、非常識な言葉を言ってしまう場合があります。本人に悪気はないのです。
たとえ不快な思いをしても、声を荒げることはせず、シンプルに人と人との間のマナーを教えてあげましょう。
大声を出すと、アスペルガー症候群の人は不安に感じるだけで、言われていることを理解できず逆効果になることも多いです。
メモやメールを使うのも効果的
コミュニケーションが苦手なアスペルガー症候群の人は、言葉で伝えるだけでは理解できない場合があります。
伝えたいことは、
- シンプルに話す
- 簡潔に要件をまとめたメモを渡す
- メールで伝える
と、理解がより深まることもあります。
急な予定変更は注意が必要です
アスペルガー症候群の人は、臨機応変に動くということが苦手です。
急な予定の変更があると不安を感じ、戸惑ってしまいます。
変更はなるべく早く伝えるとともに、具体的な数字を使い、全体の見通しや予定を伝えるようにしましょう。
いくつかのコミュニケーションのコツをご紹介させていただきました。アスペルガー症候群の人は、興味のあることには驚くほどの集中力や才能を発揮することも少なくありません。
上手にコミュニケーションをとれれば、その才能を学校や職場で発揮してもらえるかもしれません。
これからの時代はいろいろな人とコミュニケーションをスムーズにとりながら多様性を認めることが豊かな社会作りに繋がるのではないでしょうか。
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